金髪の孺子と赤毛のボウヤとその彼女達

銀英伝ライキルでその嫁との妄想にふけたり、我が国のミリな制服や乗り物に萌えるブログ(のハズ)

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三十八度線攻防戦-1-/紅野政樹

 対防弾ガラスの向こう側は闇だった。
 ところどころに、誘導灯の赤い光がポツポツと見えるだけで、他には何もない。
 今夜は、気象調査隊が予測した通り、天にかかる三つの月も、眩暈するほどの数々の星の輝きも、午後から厚くたれこめ始めた雲に遮られ、その姿を見せていない。
 つまり、自然界の夜の灯火はすべて、消え去っているということだった。
 うってつけの夜と言えた。
 キルヒアイスは、ルビーを溶かして染めあげたように赤い髪を、空調から吹きつけてくる風に揺らしながら、窓の外を眺めていた。
 不意に、人けのない静かな廊下に、足音が響いたので、キルヒアイスは視線をそちらに転じた。
 キルヒアイスより少し年若い少年が、ちょっと緊張した面持ちで近づいてくる。
 何の用だろうと視線をあてていると、その少年は上官に対する敬礼をしてから、手に持った箱を差し出した。
「ミューゼル少佐とキルヒアイス中尉宛です」
 予感がして、キルヒアイスは黙って受け取ると、箱の上に乗っていたピンク色した封筒をとり、差し出し人の名前を確認した。
 本当は確かめなくても、相手が誰だかはわかっている。
 銀河広しと云えど、こんな辺境の惑星まで、彼と彼の親友あてに荷を送ってくれる人など、ひとりしかいない。
「受け取りにサインをお願いします、中尉」
 促され、キルヒアイスは用紙にペンを走らせると、礼をのべた。
「どうもありがとう」
 人なつこい笑みを浮かべるキルヒアイスに、相手の下士官の少年も好意的な笑顔を返した。
 この基地内のどこに向かって石を投げても、彼と彼の親友を意味有りげに遠巻きにする人たちばかりの中、その少年の様子は違っていた。
「少佐か中尉のお部屋にお持ちしようとしたのですが、お二人とも在室されてなかったので、お届けにあがりました」
 頬を紅潮させ、熱心に説明する下士官に、キルヒアイスは悪戯っぽい口調で返した。
「ちょっと基地の外を散歩していたのです」
「えっ?」
 意味がつかめず、目を丸くしている下士官の彼に笑いかけ、キルヒアイスがその場を立ち去ろうとした時、基地内放送が響いた。
『○三○○時において、Gオペレーションを開始する。第四、第五、第六部隊は、全員第三格納庫へ集結せよ』
 戦闘が開始されることに対してか、あるいはこれからの作戦内容に対してかわかりかねる溜息を、キルヒアイスは洩らすと、素早く きびすを返した。
「お気をつけて」
 敬礼に返礼すると、キルヒアイスは駈け出していた。


 キルヒアイスが第三格納庫へ降りて行くと、作戦に参加する兵士、士官たちがそれぞれの戦闘車輛である、装甲タンクへ乗り込もうとしている所だった。
 キルヒアイスが自分たちにあてがわれた装甲タンクへ近づいていくと、そこにはすでにキルヒアイスの親友が待っていた。
「遅い!何をしていたんだ、キルヒアイス」
 凛と響くラインハルトの声に、キルヒアイスは臆したふうもなく、にっこり微笑んで、手に持っていたものをラインハルトの目線へとかかげて見せた。
 何だというラインハルトの目つきを遮るように、次いでピンク色の封筒をかかげる。
 するとラインハルトも察したようだ。
 彼は幾分声を落とし、キルヒアイスの耳元に囁いた。
「姉上からだ、中身は何だろう?」
「カードを見てみられてはいかがです」
「うん」
 さっきまでの、あまりにも年若い第五部隊指揮官の凛然とした顔が、今ではまるきり十六才の少年の顔になって、ラインハルトは彼の姉、現皇帝の寵妃としてあまりにも有名な、アンネローゼからのメッセージカードを開けて見た。
「何でした?」
 覗き込むようにしてキルヒアイスが訊ねるのに、幾分ラインハルトは憂いの表情で顔をあげた。
「チーズケーキだそうだ。真空除菌パック処理済みだから、いつでも好きな時にお前と一緒に食べろって」
「…?良かったですね、ラインハルト様」
 ケーキ好きの彼の親友に向かってキルヒアイスはそう云ったが、いつもなら満面 の笑みを浮かべて喜ぶはずのラインハルトが、今日に限って何か渋っているように見えて、つい首を傾げてしまう。
 ラインハルトはそんな赤毛の友にどう返そうかと、形のよい眉を寄せたが、出撃準備完了の伝令が飛んだので、二人は会話を切り上げた。
「全員、輸送艦へ順次乗り込め!」
 ラインハルトとキルヒアイスの二人も、装甲タンクへと乗り込むため、順番にラダーをあがった。
「ミューゼル少佐」
 タンクの中へ降りようとしたところを、ラインハルトはだみ声の男に名を呼ばれ、動きを止めると声の方へ視線を向けた。
 視線の先には、今回のGオペレーションに参戦する第四、五、六部隊の総指揮官、バッフ・フォン・シュラハーデン准将の姿があっ た。
「何か?准将閣下」
 誰が聞いてもぶっきら棒なラインハルトの返事の仕方に、シュラハーデンは不機嫌に片眉をはね上げた。
 そして、あからさまに、金髪の孺子という侮蔑を込めた声で、言葉を継いだ。
「今回の作戦は武人としての度胸が示されるものだ。臆病風に吹かれて、我れ先に逃げ帰ることなどないように、しっかり踏ん張って もらいたい」
 格納庫中に響きわたる大声だった。
 瞬間、そこここで嘲笑がわきおこる。
 挑発され、ラインハルトの頭に血がのぼった。
 声を荒らげて、悪態をつこうとするラインハルトを、間一髪キルヒアイスが彼の腕を引いて押しとめた。
「もちろんです准将閣下。閣下が自ら出撃される作戦を、砂上の楼閣にしないためにも、全力を尽くすつもりです」
 ラインハルトの副官としてキルヒアイスはそつなく返すと、シュラハーデンが更に挑発してくる前に、敬礼を送り、ラインハルトを 押し込むようにしてタンクの中へと降りていった。
 一瞬、この一幕に辺りは静寂に包まれたが、シュラハーデンが怒りの形相で輸送艦の方へ姿を消したので、凍りついたようになった空間は、再びざわめきが戻った。
 タンクのシートに乱暴に腰を降ろすと、ラインハルトはくしゃっと黄金の前髪をかきあげた。
「こんな作戦が成功するものか」
「そうですね」
「まるでチキン・ランだ……戦場で度胸だめしもあるまいに」
「准将は、私たちが真っ先に逃げ出すものと、決め込んでいるのです」
「わかっているさ」
 云っても仕方がないことだとラインハルトは認めて、キルヒアイスにうなずいた。
 ほとんど、地上での実戦経験のない彼ら二人が、年令にあるまじき階級を有していることが、准将のカンに触るのだ。
 そのために、あえてこのような、無謀な作戦を遂行しようとするほどに…。


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 帝国暦四八二年、銀河帝国と自由惑星同盟とは、終焉の見えない宇宙の覇者をめぐる闘いを繰り返していた。
 そしてオーディン本星より七○○万光年離れた、乾燥と砂と岩山ばかりの惑星バイカシオでも、地下に埋まるマイネイト鉱石をめぐ り、帝国、同盟両軍入り乱れた戦闘が続いていた。
 三十八度線…。
 現在人の生息しうる南半球では、この経度三十八度線に、まるで人工屏風のように天高くそそり立つ峡谷の群れを境に、帝国、同盟軍は睨みあっていた。
 その険しい岩壁は、小山のように天を突き、人々を寄せつけないままにそびえ立っていた。
 更にこの峡谷の周囲は、惑星バイカシオ自体が発生させる独特の電波が乱曲線を描いて乱れ飛んでいるため、レーダーというレーダ ーは使いものにならず、ただ音のみが頼りで、原始的な音感センサーだけが敵状をつかむたったひとつの方法だった。
 しかし一年以上続いた三十八度線攻防も、そろそろ終焉に近づきつつあった。
 同盟軍の惑星バイカシオ最高司令長官が風土病により死亡し、後任の司令長官がやってきてからと云うもの、同盟軍の攻撃パターンはひたすら押しの一手化していた。
 実はその内幕には、同盟軍内部に風土病が伝染し、蔓延を始めたことが理由にあった。
 死にもの狂いとは、まさにこのことであり、惰性化していた戦闘方法は一変したのだった。
 中央司令部からは、三十八度線絶対死守を命ぜられている彼らにとって、無事本星へ、家族の下へ戻る方法は、三十八度線を突破し 、帝国軍に勝利するしかなかった。
 そうした理由で、同盟軍の攻撃はまさに破竹の勢いであったが、迎え撃つ帝国軍と云えば、あいかわらずのマンネリ戦法を繰り返していたため、帝国軍の不利は火を見るよりも明らかだった。
 今や、帝国軍は、一歩も譲ることのできない、三十八度線ぎりぎりの最終防衛ラインまで追い詰められている。
 このような戦況が混乱をきたした、帝国バイカシオ前線部隊へ、ラインハルトたちが派遣されてきたのは、八日前のことだった。
 どこへ配属されてもそうなのだが、ごたぶんに漏れず、この基地内でも、ラインハルトとキルヒアイスは歓迎されなかった。
 特に、上層部の連中には煙たがられた。
 分不相応というのが理由、皇帝へ取り入る金髪の孺子というやっかみが理由、妬みや嫉妬が交錯し、自分たちのことは棚にあげ、ラ インハルトとキルヒアイスを腰抜けあつかいしていた。
 そしてその悪感情は、戦況さえ無視した作戦へと、上層部を駆り立ててしまっていた。


 深夜四時。
 地上は天空の明かりひとつなく、また音という音も、まるで星中の生き物が死に絶えたかのように、静まり返っていた。
 そして、目の前に大きく立ちそびえる岩山の数々は、闇の中、更にくっきりと影を落とし、不気味な威容を見せつけている。
「痛っ」
「…?」
 僅かでも動力音をたてれば、たちまち敵方の感知センサーにつかまってしまうため、装甲タンクの中は、外の闇の延長だった。
 明かりもなく、通信もない。
 この位置について、すでに一時間以上たっているので、さすがに闇に慣れた目ではあったが、それでもキルヒアイスにはラインハルトの表情まで覗き見ることはできない。
「どうかなさいましたか?ラインハルト様」
「うるさいぞ、キルヒアイス。敵に感づかれる」
「囁き声では感知できませんよ。ご存じでしょう?」
「いいから黙ってろ!」
 ひそひそと囁きつつ怒鳴るという器用なまねをして、ラインハルトはキルヒアイスの口のあたりを自分の掌で塞いだ。
 その時、この静まり返った闇の空間を引き裂いて、シュルシュルという音が近づいてきた。そして数秒後、大爆音が響く。
「ひっかかったぞ、キルヒアイス」
 ラインハルトは見えはしない天へと、視線をあげた。
「正念場ですが、もちますかね」
 誰のことをキルヒアイスが云っているのかはわかっている。
 彼らの上官、シュラハーデン准将のことだった。
 今回の作戦は、シュラハーデンがラインハルトを陥れようとして、敢行したものだった。
 それは忍耐と豪胆さを要求されるものであった。
 しかしこの作戦が崩れるのはたやすいと、ラインハルトもキルヒアイスも判断していた。
 何故なら、その忍耐と豪胆さを求められる作戦に、忍耐も豪胆も兼ね備えていないシュラハーデンが総指揮をとり、先陣をとっているのだから。
 ラインハルトやキルヒアイス、そして彼らと共に戦ってきた彼らの部下、そして心から帝国へと忠誠を誓っている兵士たちはともかく、いつもいつも危険の少ない後方へと身を隠して、命の砦を高く築いているシュラハーデンたちに堪えきれるのかは、非常に疑わしかった。
 誤算はシュラハーデンの胸の内にある。
 彼は、彼のなけなしの忍耐と豪胆より遙かに劣って、ラインハルトとキルヒアイスにはそれが備わっていないと思い込んでいた。
 つまり、彼はこの作戦を失敗へと導くのは、決して彼自身ではなく、齢十五才にしか満たない、金髪の孺子の方だと信じて疑うことがなかったのだ。
 今回の作戦は同盟軍を三十八度線、峡谷と峡谷の間の道を通らせ、帝国側へ進出させるのが目的だった。
 そうしておいて、広範囲に埋められた地雷げんの海へと、一気に引き込む作戦だった。
 もちろん同盟軍もバカではない、まんまと罠にかかりに簡単に境界線を越えることはできない。
 しかし今、最大の問題を、同盟軍指令部内は抱えている。
 つまり、この戦いを終焉に導き、勝利を手にするには、三十八度線を越え敵軍陣地へ進軍しなくては望みはない、ということだ。
 同盟軍は波にのっているし、タイムリミットをかかえている、という状況を帝国軍参謀本部は逆手にとった。
 罠だと気どらさず、帝国軍が同盟軍の力の前に劣勢である、と思わせて、引きずり込むのだった。
 三時に、一度、戦闘爆撃機により、同盟軍前衛部隊へ絨毯爆撃を行った。
 この地域での、空からの攻撃は無謀の一言につきる。
 何故なら航空機は必ず三十八度線を越えなくてはならず、またそこを越える時には全てのレーダーが狂いを生じる。
 彼らが敵軍をレーダーで捕らえられず、視認で捕らえるより先に、敵の感知センサーが爆撃機を捕らえ、対空ミサイルにより撃墜されるのがセオリーだった。
 しかし本来の帝国軍の目的は、そのためにあるのではない。
 空爆により敵の感知センサーを攪乱し、そのどさくさに紛れ、輸送艦で運ばれた百近くの装甲タンクは配置され、それから何時間か後、同盟軍が三十八度線を越えてくるまで沈黙を守ったままに待機 、同盟軍八十パーセントが三十八度線を越えてくるまで引きつけ、 そして総攻撃をかける段取りとなっていた。
 シュルシュルという対地ミサイルが落下してくる音が、断続的に聞こえ始めて、装甲タンクに待機していた帝国軍の兵士たちは大神に祈った。
 敵はレーダーを使えず、感知センサーには何も反応しないため、様子を伺う目的でもって、めくら打ちでミサイルを乱射しているのだ。
 装甲タンクのような小さな標的には、よほど運が良くなくては命中したりしない。しかしそうだと頭では理解できても、一パーセントの偶然に恐怖する者がいて当然だろう。
 まさにこの作戦は、ラインハルトが評した通り、チキン・ランの様相を呈していた。
 装甲タンクに備付けられた感知センサーが反応する警告音は、爆撃弾が落下してくるのをじっと息を殺してやり過ごしている帝国軍兵士たちには、いやに大音響として聞こえてくる。
 緊張は神経のぎりぎりのラインまでボルテージをあげ、戦場自体に一本の張り詰めたピアノ線が引かれているような感じだった。
 ラインハルトもキルヒアイスも、さすがに黙したまま、敵が進行してくるのを待った。彼らは、この爆撃弾の洗礼から逃げ出すこと など、考えもつかなかった。
 誰かが動けば、この作戦は失敗に終わる。
 同盟軍の感知センサーは、爆撃音の合間を縫って響いてくる、装甲タンクの音を聞き逃すことはないだろうからだ。
 果たして、シュラハーデンは、同盟軍の進行を待っていたのか、それともラインハルトが逃げ出すことを待っていたのか。
「ラインハルト様」
 感知センサーに耳を傾けていたキルヒアイスの緊張した呼び掛けに、ラインハルトはすぐに何が起こったかを悟った。
「なぜこの短時間の間だけでも、やつらはおとなしくしてられないんだ」
 とうとう緊張状態に耐えきれなくなった者が、戦線離脱をはかり、騒がしい音をたてて逃げ出したのだった。当然その臆病者は、彼とキルヒアイスの上官であるに違いなかった。
「全力疾走ですね、この音は……敵に気付いてくれと云っているようなものです」
「だから始めからチキン・ランなどと、恰好をつけなけりゃあ良かったんだ。それで、同盟軍の方は?」
「三十八度線を越えつつあります」
 センサーのヘッドフォンをはずしながら、キルヒアイスは後部座席に無造作に置かれていた、遠方射程型のレイ・ガンを手にとった

「仕方ない、第二作戦に切り換えるぞ」
「はい」
 二人はすでに、こうなることを充分予測していて、実は作戦が失敗した時のため、自分たちだけで第二のそれをたてていたのだった

 キルヒアイスは装甲タンクの上部ハッチをあげて、身を乗り上げた。辺りはもう少しで顔を見せるだろうバイカシオの太陽の朝やけにより、明るさを取り戻しつつあった。
 しかし朝の静寂はもはや何処にもありはしない。
 同盟軍が帝国軍に気づき、こんどはもっと密に爆撃弾を放ってきたからだった。
 バイカシオの涼しい風と、被弾による熱い爆風が大気を乱して、キルヒアイスの赤くくせのある髪を弄ぶ。
 今や状況はひどいものだった。シュラハーデン指揮の中央部隊の装甲タンクがどうすればいいかわからずに、爆撃の中、右往左往にと動き出したのだ。そうして不用意に行動すると、同盟軍の感知センサーにキャッチされることさえ忘れて。
「状況は最悪かな?」
 ラインハルトの声が内から聞こえてくるのに、キルヒアイスはぐるりと戦場を見回し、明るい声で云った。
「最悪ではありません。左翼のロード大佐の隊は、さすがに動じていないようです」
「よし、じゃあ、打合せ通りだ、キルヒアイス」
「はい、では行きます」
 装甲服は着用していたが、ヘルメットはかぶらず、キルヒアイスは自分の腕の長さほどあるレイ・ガンを手にして、装甲タンクの上へと器用にその長身の身体をのしあげた。
 そして地上へと飛び下りようとした時、タンクの中からラインハルトの声だけが響いて、聞こえてきた。
「キルヒアイス!」
「はい」
「お前、たかだかバカ貴族の連中のために死んだりしたら、俺はお前を許さないからな」
「はい、ラインハルト様」
 返すなり、キルヒアイスは装甲タンクを飛び下りた。
 そしてタンクは東へと走り出す。
 最後にぶっきら棒な口調でキルヒアイスに伝えられたラインハルトの言葉は、彼なりにキルヒアイスを心配して云ったものだと、当然キルヒアイスには判っていた。
 くすりと、笑いを刻み、次には表情を改めると、爆撃弾が着弾する戦場のまっただ中へと、レイ・ガン片手に走り出した。
 キチン・ランの決着はラインハルトに勝利したが…それはラインハルトとシュラハーデン個人レベルの問題だった。
 ラインハルトもキルヒアイスもこの作戦事態に勝利しなければ、意味がない。
 ここでの作戦失敗の責任は、必ずラインハルトが被ることになり、彼の昇進を阻むものとなるのは目に見えていた。
 外気は冷たく、戦場独特の緊張感に熱くなった身体には、素肌をさらした頬に心地良かった。
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